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難病への挑戦

原子炉を医療に利用する試みは、昭和28年頃からアメリカにおいてはじめられました。
この治療法は中性子捕捉療法と呼ばれ、正常な組織を冒すことなく原子炉からの中性子によって「ガン」細胞のみを効果的に破壊する画期的な治療法と言われています。
我が国では、昭和43年頃から、脳腫瘍患者に対してこの治療法が取り入れられ、医療関係者によれば、治療が極めて困難である末期症例についても、他の療法にくらべて3倍以上の延命効果があり、また、新鮮症例については、元気に社会復帰している例が数多いなど、諸外国からも注目される成果が報告されています。
私たちは、全国の原子炉工学、医学の専門家の協力を得て、原子炉治療に必要なすぐれた中性子照射設備を作ることに成功しました。
原子炉に隣接して医療に必要な施療室も設備され、これから世界にもまれな施設によって下表に示すような治療実績をあげています。

表:脳腫瘍と皮膚癌の武蔵工大炉・年度別治療例

年度 脳腫瘍 皮膚癌
1976 2
1977 12
1978 12
1979 7
1980 5
1981 5
1982 7
1983 13
1984 9
1985 1
1986 5
1987 6 2
1988 7 2
1989 5 5
99 9