実際の治療の流れ
放射線療法に中性子捕捉療法を選択した場合、その治療の流れは従来の放射線療法とは大きく異なります。ここでは中性子捕捉療法の流れについて簡単に紹介します。
一般的な治療の流れ
前日深夜 | 病院にて硼素化合物:BSH(Na2B12H11SH)を点滴静注 (15~18時間後が中性子照射の最適な時間となる) |
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当日朝 | 当日朝 (救急車で移送) |
↓ | 原子炉到着後、手術室で麻酔・手術の準備開始 |
9時頃 | 手術準備・麻酔開始 (全身麻酔) |
当日朝 | 開頭手術開始 照射部位に金線(中性子束測定のため)、 バルーンなど(深部への中性子到達性を向上させるための空洞確保)を挿入 |
↓ | 開頭手術終了後、患者を照射室に搬入 |
正午過ぎ | 原子炉起動 (救急車で移送) |
↓ | 原子炉定格出力到達 |
当日朝 | 当日朝 照射中 |
↓ | 原子炉運転停止 (照射終了) |
↓ | 患者を照射室より搬出 |
夕刻 | 閉頭手術開始 |
↓ | 手術・麻酔終了 |
↓ | 病院に戻る |
このように中性子捕捉療法は現状では1日掛けて行わる大がかりなものです。また、開頭手術が必要なために患者の負担が大きいように感じられますが、照射はこの1回のみで済みます。また、将来の非開頭照射に向けての研究も行われています。なお照射時間は、硼素濃度や腫瘍の深さ、中性子束等によって変わりますので、患者さんごとに異なります。
患者さんによっては中性子捕捉療法の適応で、優れた治療効果を得ることができますが、この治療を受けるには適格・不適格条件があります。従って全ての悪性脳腫瘍の患者さんに適用できるわけではありません。治療を希望される方は、その点あらかじめご承知下さい。なお、まだ研究段階の治療法ですので健康保険は適用外です。
本治療法の脳腫瘍患者を受け付けているところは、
国立療養所香川小児病院、京都大学、京都府立医科大学、筑波大学 (順不同)
また、皮膚癌(悪性黒色腫)については
神戸大学、三嶋皮膚科学研究所
です。
詳しくは
〒105-0001 東京都港区虎ノ門1丁目8番地16号 第2升本ビル
Tel. 03-3504-3961
Fax. 03-3504-1390
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